掲載:2024年01月10日
最終更新:2024年01月10日
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新年明けましておめでとうございます。
今年は元旦に能登を中心に北陸を襲った大地震、2日には羽田空港での航空機火災事故、3日は北九州市小倉地区飲食店街の大火災と相次ぐ災害による大変な年明けとなってしまいました。亡くなられた方や被災された方々には、心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。そして、一刻も速い復旧と復興を祈念しております。
そのような中ですが、私達盲教育史研究会の役員も新たな気持ちで新年を迎えました。3年間に亘るコロナ禍により、なかなか思うに任せない活動でしたが、一昨年はハイブリット方式による10周年の記念大会、昨年は4年ぶりの対面による総会・研究会を行ないました。その間、記念事業として編集に取り組んだ「盲教育史百触の旅 盲史研10周年記念誌」の発行をすることもできました。これも皆様方のご協力のおかげと感謝しております。このような一連の行事を終え、今年は新たなステージの第一歩を踏み出す年となります。
記念誌に対しましては、多くの感想やご意見をいただきました。「とても立派な記念誌で、これまで全国各地で行なってきたミニ研修会の足跡がよくまとめられていて、盲教育史の貴重な資料となります」という感想には、大変ありがたく思うと同時に、これからの活動に対しての励みとなりました。そのような中に、ある会員から大変示唆に富むご意見がありましたので、以下に紹介します。
ミニ研修会を詳細に記録されていることは、「発掘と保存」という本会本来の目的からしても大変意義深いものだと思います。そうした本書の意義を十分踏まえた上で、若干意見を述べさせてください。
本研究会は、この10年盲教育の資料発掘という点で多大な功績があっただけでなく、「盲教育史」という研究ジャンルの進展にも大きく貢献したと思います。学校史の目録の出版、コロナ禍の記録、大会やミニ研修会での個別研究報告は言うまでもなく、先生方のご著書や『むつぼしのひかり』の刊行など会員の研究成果も次々に発表されました。題名だけでもよかったのですが、これらの成果も収められていると、今後の研究の道しるべになったかと思います。それがミニ研だけだったのが、少し残念でした。皆様のご苦労も顧みず、勝手なことを書きました。どうかご容赦ください。今後ともご指導のほど、よろしくお願いいたします。
本研究会の今後の在り方について傾聴に値するご意見かと思われます。2023年12月の運営委員会では、これらのご意見も踏まえつつ今後の在り方について話し合いました。勿論1回の話し合いで方向性が見出せるはずもありません。今後とも継続して審議していくつもりです。是非、多くの皆様からのご意見をいただけたらと思っております。
記念誌を紐解きますと、障害当事者とその関係者が、如何に熱い思いを以ってこの教育に取り組んできたかがよく分かります。百数十年に及ぶ長い歴史の中で、この教育は何回かの危機的状況に遭遇しています。その都度、先人達は並々ならぬ努力を重ねてこの教育を支え発展させてきました。そこには視覚障害者と「共に歩む」ことにより、彼等の教育や文化、そして福祉を発展させたいという熱い思いが常にありました。
ひるがえって現在の状況を巨視的に見ますと、大きな転換期の渦中にあると思います。インクルーシブ教育の世界的な潮流、そしてIT化の長足な進歩。それらは全国の盲学校・視覚特別支援学校の在り方や教育方法、及び存在意義等を根本から変えようとしております。もはや今までの概念でこの教育を捉えることは、極めて困難な状況にあると言っても過言ではないと思います。このような時こそ「歴史に学ぶ」ことが大切ではないでしょうか。先人達がどのような思いを以って、それぞれの画期を乗り越えて来たか・・・。きっと歴史は教えてくれるはずです。
厳しいコロナ禍ではありましたが、会員数は170名程を保っております。また、本会ウェブサイトへの訪問者数も月2千人程度で推移しています。開設以来の訪問者数は、昨年の12月1日現在で182033件、このまま推移すれば20万件に到達するのは、今年の9月中旬頃ということになります。これもひとえに皆様方のご支援と本会に対する興味・関心の表れだと感謝しております。今後、更に本会活動の充実を図ると共に、ウェブサイトの内容も充実させていきたいと思っておりますので、皆様方の益々のお力添えをお願い致します。
前回のあいさつ文で「暁天の星」と言った京都盲唖院の大島伝次郎氏の言葉に対し、「暁天の星から満天の星へ」と言った本会の岸事務局長の言葉を引用しましたが、私も今年の活動が盲史研にとって、まさしく「暁天の星から満天の星」へのきっかけとなりますことを願っています。
本文は以上です♪
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英語:Japan Society on the History of Blind Education
エスペラント:Japana Societo pri la Historio de Blindul-Edukado(ヤパーナ ソツィエート プリ ラ ヒストリーオ デ ブリンドゥール・エドゥカード)
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