日本盲教育史研究会

掲載:2016年12月18日

最終更新:2018年01月22日

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会長挨拶バックナンバー(2016年12月18日から)

ようこそ「盲史研」ウェブサイトへ ――今後の盲史研の在り方にご意見を――

日本盲教育史研究会会長 引田秋生

引田秋生会長

1 盲史研へようこそ

 盲史研のホームページにおいでいただきありがとうございます。会長挨拶を久しぶりに更新いたしました。

 2016年は、6月の九州での第4回ミニ研in九州、10月の東京での第5回総会・研究会はそれぞれ60人、90人の参加者を得て盛況のうちに終了しました。現地実行委員会、会員の皆様、後援団体の皆様のご協力のもと成功裡に実施できましたことに感謝申し上げます。詳しい報告はこのホームページに掲載されていますのでお読み下さい。

2 今後の盲史研の在り方にご意見を 

 これまで実施した4回のミニ研、5回の総会・研究会を経て、今後の本研究会の在り方について、現在検討を進めているところです。総会でもお話ししましたように、とりあえず、ミニ研については、フィールドワークを中心にこれまでよりコンパクトなものにしていくよう検討しているところです。

 今後も、会員の皆様のご意見をいただきながら、よりよい研究活動が展開できますよう努力して参りますので、積極的にご意見をお寄せ下さい。

3 盲学校の音楽科存続を

 第5回研究会では、山梨大学教育人間科学部教授 ジェラルド・グローマー氏の記念講演(「瞽女(ごぜ)・旅芸人の歴史と伝統」)とお茶の水女子大学大学院 村山 佳寿子 氏の研究発表(「昭和初期における箏曲の点字記譜法の特徴」)がありました。個人的な経験で恐縮ですが、この研究会の前後に、筑波大学附属視覚特別支援学校(以下附属盲とする)音楽科の定期演奏会、視覚障害者支援総合センター主催の「競い合い、助け合う コンサート2016−羽ばたけ視覚障害者音楽家たち−、声楽家の塩谷靖子氏のコンサートに相次いで参加しました。これらの経験は、私にとって、改めて視覚障害と音楽について、更には盲学校の音楽科の存続について考える機会となりました。

 ご存じのように、戦前の盲学校の伝統的職業コースとしては、あん摩・鍼・灸の理療コースと音楽のコースがありました。そして、それぞれ盲学校の教員になる課程の師範部が東京盲学校に設置されていました。ところが、戦後の教員養成制度の改革により、理療コースは筑波大学理療科教員養成施設として残ったものの、音楽教員の道は閉ざされて、教職課程のある4年制の大学ないしは短期大学に一本化されてしまいました。盲学校では高等部の音楽科あるいは専攻科の音楽科として専門教育を行い、音楽大学(短大含む)への入学に繋げる形となりました。

 この間、附属盲では1976年からの30年間に62名の卒業生が武蔵野音大、東京芸大、国立音大等の4年制音楽大や、尚美学園短大、高崎芸術短大等の短期大学に入学しています。(附属盲音楽科調査)

 これらは、点字楽譜や障害に配慮した専門教育と同時に、専攻科では大学の講義内容を先取りする形で音楽理論、音楽史、演奏法等の専門科目も充実させた結果ともいえます。また、中途失明者へのフォローアップとして音楽福祉概論、音楽心理学等の科目により障害理解・受容を促すとともに音楽を通じて社会復帰への支援を行ってきました。

 しかし、近年の盲学校の生徒数の減少により、実際に在籍する生徒を有する音楽科設置盲学校は事実上筑波大学附属視覚特別支援学校のみとなってしまいました。

 明治13年(1880年)京都盲唖院に初めて職業科の中に「音曲」が設置されて以降、昭和43年(1973年)設置の静岡県立浜松盲学校まで実に11校に音楽科が設置され、ピアノ調律科も2校設置されました。設置はしたもののその後廃止した盲学校もありますが、最大の設置盲学校数7校を数えたのは以下の3期間でした。時代のニーズの変化があるとはいえ正に今昔の感がします。

(昭和2年〜昭和10年、昭和32年〜昭和36年、昭和42年〜昭和45年)

 136年前に点した音楽教育の火を絶えることなく点し続け、障害に配慮した専門教育を受けられる場として盲学校音楽科の存続を願ってやみません。

本文は以上です♪

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英語:Japan Society on the History of Blind Education

エスペラント:Japana Societo pri la Historio de Blindul-Edukado(ヤパーナ ソツィエート プリ ラ ヒストリーオ デ ブリンドゥール・エドゥカード)

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