日本盲教育史研究会

掲載:2022年12月10日

最終更新:2022年12月10日

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「第2回ミニ研修会 in 神戸」開催のご報告

日本盲教育史研究会事務局(文責:渡辺譲)

先人の「こころざし」を学び引き継ぐ

地元で実行委員会を作る

研修会を神戸で開催することが決まり、地元の会員で実行委員会を作って内容を検討しました。兵庫にゆかりを持つ先人の足跡を紹介することをメインにしようと決まったのですが、この話し合いを通して「こころざし」という言葉がキーワードになりました。

先人たちのこころざしに共感し、引き継ぐものでありたいと、これを会のテーマとして準備を進めることになりました。

宮城道雄と神戸

宮城道雄は神戸の旧居留地で生まれました。今は三井住友銀行神戸本部になった敷地のー角に「宮城道雄生誕の地」と書かれた石碑があり、前に立つと「春の海」のメロディーが流れます。

研修会の冒頭、神戸の筝曲家折野正造氏と池田瑛氏のフルートで、この曲を聞いていただきました。穏やかに流れる演奏で会がはじまったのはたいへん好評でした。

研修会の発表概要

会場は神戸市立盲学校の会議室を使わせてもらうことができました。約60名の参加者で満席になり、熱の入った発表と討論が行われました。

発表の概要は以下の通りです。

テーマ1 「木下和三郎の探求」
木下和三郎の歩行論(発表者 渡辺譲)
  1. 木下和三郎の略歴と人物
    • (1)略歴
    • (2)人物
  2. 和三郎の歩行論
    • (1)18年間の探求
    • (2)和三郎の歩行論
    • (3)「盲目歩行に就いて」はどう使われたか
  3. 和三郎の歩行論から学ぶ
    • (1)鳥居篤治郎が述べた和三郎の歩行論
    • (2)何に心を打たれるか
木下和三郎 理療の科学的探求(発表者 松井繁)
  1. 初めに
  2. 木下の足跡―研究
    • (1)灸の実験研究
    • (2)鍼の実験研究
    • (3)名著「灸法の学理」
    • (4)「植物神経系と鍼灸マッサージ論」
    • (5)「鍼の生物学的研究業績」
    • (6)研究会の開催
  3. 終わりに
テーマ2 「左近允孝之進のこころざし」
出会いと情報でつむぐ左近允孝之進の世界(発表者 古賀副武)
  1. 左近允孝之進のプロフィール
  2. 私立神戸訓盲院創立
  3. 点字新聞「あけぼの」創刊号
  4. 「盲人之教育」
  5. 孝之進の見はてぬ夢を求めて
こころざしを継ぎ、広めた人たちー好本督・中村京太郎を中心にー(発表者 森田昭二)
  1. 「日本盲人会」の活動――左近允孝之進と好本督――
    • (1)「日本盲人会」の発足
    • (2)「日本盲人会」の目指した事業
    • (3)「日本盲人会」の結末
  2. 「盲人基督信仰会」から『点字大阪毎日』の発刊へ――好本督と中村京太郎――
    • (1)中村京太郎と点字新聞『あけぼの』の復刊
    • (2)『点字大阪毎日』に寄せた好本督の回顧
  3. 「関西盲婦人ホーム」の設立――中村京太郎と越岡ふみ――

熱心な討論と貴重な展示

討論は岸博実事務局長の司会で進められました。岡山から河田正興氏が「盲人歩行論」を復刻した経緯について、岡山盲学校で保管されていた原本を持参して報告されました。また越岡ふみが創設した関西盲人ホームの山口規子さんからも発言がありました。参加者の皆さんの発言で充実した討論になりました。

会場の外には「あけぼの」創刊号など関連する書籍、資料が展示されました。また復刻した冊子(「新撰灸治学(木下和三郎)」「盲人の教育(左近允孝之進)」「点字独習書(〃)」)が、希望者に無料配布されました。

会は全体を通じて、盲教育の草創期から戦前、戦中の困難な時期に、先人たちが強い絆を持ちながら切り開いた道を学ぶものになりました。会場を提供してくださった神戸市立盲学校と、当日の運営に多大な協力をいただいた職員の皆様にお礼申し上げます。

本文ここまでです。

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英語:Japan Society on the History of Blind Education

エスペラント:Japana Societo pri la Historio de Blindul-Edukado(ヤパーナ ソツィエート プリ ラ ヒストリーオ デ ブリンドゥール・エドゥカード)

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